市税収入70億円減
岡崎市 来年度の予算編成方針策定
財政の非常事態 リーマン並み
岡崎市はこのほど、来年度の予算編成方針を策定した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で歳入では市税収入の減少、歳出では社会保障関係経費の増額などが見込まれる厳しい状況を予想している。基本方針では来年度の危機的な状況を「財政の非常事態」と表現。既存事業においても大幅な見直しが必至という。(横田沙貴)
市財政課によると、編成方針策定時点で市税収入は10%程度に当たる約70億円の減収を見込む。この額は、2008(平成20)年のリーマンショックの影響を受けた09、10年度の2年分の合計影響額と同程度という。同課は「新型コロナ終息のめどが立たず、先行きが不透明な状況。税収の大幅減は間違いないと思われる」としている。
予算編成方針によると、歳入は国の補助金などを示す「特定財源」、市の“貯金”に当たる「財政調整基金」をはじめとした各基金、市の“借金”といえる「市債」を例年以上に積極的に活用して財源を確保する。
歳出は事業内容を精査し、優先順位付けや取捨選択を進める。また、新型コロナ対策関連や法・制度改正に伴う事業以外の新規事業や既存事業の拡充に対する予算計上を「不可」とした。
具体的な編成方法として、常時行う「経常業務」の予算全体で前年度比3%減額。建設事業など一時的な事業を指す「臨時業務」は、課ごとの予算要求枠(上限)は示さないものの、今年度中に終了しない継続事業は、今年度中終了分を差し引いた予算額をベースに、臨時業務全体で前年度比30%減を目安にする。
社会保障などに関わる「扶助費」は「予算要求枠なし」。ただし、多額の余剰が発生しないよう市民のニーズを把握し、必要な数量・金額をしっかり計算することが求められる。
政策に関わる事業「未来投資計画事業」は、市の認定事業全体の予算枠で「20億円」とした。ただし、特定財源の確保に努めるように示されている。