スーパーマーケット「マックスバリュ」を展開するイオングループの「マックスバリュ東海」(浜松市)が、三河地方への本格的な進出に力を入れている。4日には、愛知環状鉄道四郷駅(豊田市四郷町)から約300メートル東にある国道419号沿いのショッピングセンター「四郷スマートタウン」内に同市初の「マックスバリュ豊田四郷店」がオープン。今秋には岡崎市美合町の「(仮称)イオンタウン岡崎美合」内にも同市初の店舗をオープンさせる。(今井亮)

同社広報・IRグループによると、三河地方には西尾市や幸田町、豊橋市、豊川市に既存店舗がある。しかし三河地方を挟むように店舗が集中している名古屋市・尾張地方と静岡県中西部に比べ、三河地方には基幹店舗がなかった。このため、同社は店舗の“空白地域”である三河地方を「重点地域」に位置付けており、豊田四郷店や岡崎市に進出する店舗以外にも出店を計画しているという。担当者は「出店する物件に注意を払っており、豊田四郷店は三河地方への本格的な店舗進出の足掛かり。三河地方の店舗を充実させることで尾張地方、名古屋市、三河地方、静岡県中西部がつながる物流網も構築したい」と話す。

三河地方の「基幹店第1号」になった豊田四郷店の売り場面積(テナント除く)は約1900平方メートルで、マックスバリュの店舗平均より400平方メートルほど広い。取り扱う商品も1000〜2000種類多い約1万5000種類。出店地域や周辺地域で収穫・漁獲された生鮮食品も扱い、一部は特設コーナーを設けて地産地消もPRしている。

イートインコーナーは他店舗より多い33席を設けた。隣接するマックスバリュ直営のパン店が店内で焼き上げたパンをその場で味わうこともできる。従業員90人の身体的負担軽減や幅広い年齢層が働ける労働環境を意識し、乳製品などの棚をスライド式にすることで商品補充を簡易的にするなど、オペレーションにも気を配っている。

24時間営業。オープン日のこの日は、通常は午前9時の営業開始を2時間繰り上げて客を分散させ、オープン記念品の配布をやめて新型コロナウイルス感染拡大防止の「3密(密閉、密集、密接)回避」を図った。

四郷スマートタウンではこの日、マックスバリュ豊田四郷店のほか、同社が誘致したドラッグストア「マツモトキヨシ」なども同時に営業を開始した。10日には三河地方で2店舗目となるホームセンター「カインズ」の豊田四郷店がオープンする予定。