■「三河念仏の源流」
初公開の坐像など120件
岡崎市美術博物館で26日、平成20年度特別企画展「三河念仏の源流―高田専修寺と初期真宗」が始まった。会期は5月25日まで。
岡崎市を中心とする西三河は古くから真宗が盛んな地域だが、その始まりは親鸞の弟子、真佛(しんぶつ)・顕智(けんち)らによる矢作薬師寺での念仏勧進と、その後、三河に3年ほど滞在した顕智による教化とされている。
真佛や顕智を中心に発展した専修寺は、親鸞を開祖とする真宗高田派で、下野(しもつけ)国高田(栃木県)を中心に関東から東海・北陸地方へと教えを広め、後に一身田(いっしんでん)=三重県=に本山を移して、現在に至る。
同展では、国の重文に指定されている栃木県専修寺蔵の真佛上人坐像と顕智上人坐像を公開。今年が真佛750年忌と顕智700年忌にあたり、三重県津市の本山で坐像の法要が営まれたことから、坐像を栃木へ戻す前に、2人の活動の跡が多く残る三河地方で展示される運びとなった。重文指定された際の国立博物館での公開以外で、公共の博物館に展示されるのは初めて。
そのほか三河初公開となる親鸞直筆の書状をはじめ、本山や東海地方の真宗寺院の至宝、約120件を一堂に展示し、親鸞、真佛、顕智の事跡をたどるとともに、同時期に三河で発展した専海や源海の門流(荒木門徒)、円善を祖とする和田門徒など三河初期真宗の各門流の活動、また名号や光明本尊、絵伝、聖徳太子像などを通じて、真宗の信仰と文化を紹介している。
観覧料は一般1,000円、小中学生は500円(市内の小中学生は無料)。同館は毎週月曜日休み(ただし5月5日は開館、7日は休館)。
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