東海愛知新聞バックナンバー
 4月10日【木】
救急現場に消防隊員
マンパワーで活動支援
岡崎で同時出動増える

119番通報すると救急車とともに、消防車が出動するケースが増えている。重篤患者に対応する器具が大型になり、消防隊員のマンパワーが必要なためだ。岡崎市消防本部でも、今年1―3月には既に昨年1年間のほぼ四割に当たる281件の出動があった。同本部では、こうした事例は今後も増えるものと見ている。
 119番通報があると患者の状態を聞き、心肺停止や呼吸困難など重篤な場合に限って消防隊員も駆け付ける。平成15年度、県が「心肺蘇生プロトコール」で、救急業務に消防隊員がサポートできることを通達。救急車での救急業務が高度になり、器具の運搬など救急隊員を支えることが必要になったためだ。
 救急車には隊員3人が同乗。消防車には、救急業務に携わる資格を持った隊員4人が乗る。
 消防車にはAED(自動体外式除細動器)のほか、感染を防ぐための上着、頚椎(けいつい)の固定具、人工呼吸器、血圧計、包帯などが常備されている。
 同本部では3署、2分署、4出張所に合わせて12台の救急車を配備。年間の出動回数は、15年に1万2千143件だったのが、18年は1万3千581件まで増加。しかし昨年は1万3千323件と14年ぶりに約2%減少した。ここ数年、救急出動は全国的に横ばい状態で、交通事故の減少や、救急車利用の適正化の呼びかけが浸透してきたためとされる。
 これに対し、救急車、消防車の同時出動は、17年が133件、18年は249件、19年には687件に急増。今年に入って大幅に増えている。
 救急車が出動中だったため、消防隊員を乗せた消防車が先に到着したケースも数件あった。
 同本部では「救急車と消防車の同時出動は、あくまで重篤患者への対応のため。救急車の適正利用を引き続きお願いしたい」と話している。





HOME