岡崎市教委が方針決める
■解体したあと復元へ
近代建築物 旧本宿村役場
市役所議場・愛知二中講堂は現状保存
岡崎市教育委員会は28日、近代建築物三件についての今後の取り扱いを決めた。市内には明治から昭和20(1945)年までに建てられた公共的な建物10件が残り、このうち2件は解体して材料を保管し復元、1件は現状のまま保存することにした。現在、こうした歴史的建造物の取り扱いを定めたものはないが、この3件では大規模開発や公共工事などが予定されるため、方針を示した。市教委では今後、取り扱いの統一した考え方をまとめたいとしている。
取り扱いが決まった3件は、本宿町の本宿学区公民館(旧本宿村役場本館)▽井田町の市北部公会堂(旧市役所議場)▽針崎町の日清紡績針崎工場内にある旧同工場龍城学園講堂(旧県立第二中学校講堂)。
旧本宿村役場本館は昭和九年ごろに建たてられた。木造2階建てで、現在は地元の老人クラブが管理し、文化活動などに利用されている。下水道工事が行われることになっており、材料を残して解体。復元後は本宿村の資料館などに使いたいとしている。
旧市役所議場は、昭和15年に建設され、市役所の移転に伴い45年に移築された。木造2階建てで、北部地区の公会堂として利用されているが、来年春には廃止される。移築、復元を前提に材料を保管し、将来の移築先、活用方法については今後、検討する。
旧愛知県立第二中学校講堂は、明治40(1907)年の建設で、市内に残る唯一の明治時代の公共的建物。木造平屋建てで、保存状態がよく現状のまま保存し、活用方法については所有者と協議していく。
◆