4拍子そろったスゴイ卵用鶏
■岡崎おうはん
家畜改良センター岡崎牧場で開発
粗食に耐え・多く産み・美味・食肉用にも
独立行政法人家畜改良センター岡崎牧場(岡崎市大柳町)で、卵用ニワトリの「岡崎おうはん」の開発が進んでいる。80年の歴史がある同牧場で初めての改良種。産卵率が高く、おいしい卵と、産卵しなくなってからも食肉用として販売できるのが特徴。2年後の平成22年春から本格的に供給が始まる。飼料などの原価が高騰する中、粗食にも耐えることから「岡崎生まれ、岡崎育ち」の新しい“国産ニワトリ”に期待が高まっている。
開発が始まったのは17年から。9年に細川町から現在地へ牧場が移転したのに伴って規模が拡大し、施設に余裕ができたことで衛生管理が行き届くようになった。また、高病原性鳥インフルエンザの流行で国外からのニワトリの輸入が少なくなり、国産ニワトリへのニーズが高まったことが後押しした。
赤玉の卵を産み肉がおいしい「横斑おうはんロック」のオスと、同じ赤玉で産卵率の高い「ロードアイランドレッド」を交配して育てた。羽は名前の通り黒と白の横斑模様が特徴で、産卵率が90%以上と高く、卵黄の大きさが一般は全体の20%ほどだが「岡崎おうはん」は28%と大きい。
現在、全国8カ所の養鶏場で合わせて約4千羽が試験的に飼育されており、新年度にはデータを集めて経営モデルを作成し、本格的な供給に備える。
試験的に飼育している養鶏場のうち長野県松本市の小松種鶏場(0263―33―0689)では、養鶏農家から要望があれば「岡崎おうはん」を提供してくれる。
米田勝紀牧場長は「卵と食肉の両方においしさがあり、中小規模の養鶏場での飼育に向いている。国産のニワトリで地産地消と安全、安心をアピールできる」と強調。「今後は養鶏農家に普及させるのが課題」と話している。
同牧場では「岡崎おうはん」に続き、緑色の卵を産む「アローカナ」の改良にも取り組んでいる。
全国に11牧場
卵用鶏飼育は岡崎のみ
家畜改良センター 福島県西郷町に本所がある。全国に11の牧場があり、乳牛、肉用牛、豚、ヒツジ、馬などの改良に取り組んでいる。卵用のニワトリを飼育しているのは岡崎牧場のみ。
岡崎牧場は昭和3(1928)年、伊賀町で農林省岡崎種鶏場として開設された。41年に細川町に移転。さらに平成9年、大柳町へ。約50ヘクタールの敷地に約40の鶏舎があり、現在約2万5000羽を飼育。最新の設備と衛生管理で、経済性にすぐれたニワトリの改良を行っている。
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