音楽を届けたい
コロネット アンサンブル天下統一 無料ライブ配信を実現
岡崎市シビックセンターを拠点に活動する弦楽トリオ「アンサンブル天下統一」(2014=平成26=年結成)が3日、同センター・コロネットから演奏を無料ライブ配信した。同所での6月のコンサートが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため11月に延期。中木健二さん(チェロ)=同市出身=と長原幸太さん(バイオリン)、鈴木康浩さん(ビオラ)の3人は「何とかして岡崎から音楽を届けたい」として、同センター初となる無料ライブ配信を実現させた。ライブ前のリハーサル時に話を聞いた。(竹内雅紀)
—新型コロナ感染拡大に伴う演奏活動への影響は。
- 中木さん
- 3月1日を最後にお客さんの前では演奏していない。これまでに経験したことがない「長いオフ」。東京藝術大学で音楽を教えているが、そちらでもオンラインのみとなっている。
- 鈴木さん
- 3〜6月はコンサートがゼロに。それまでは月6〜10回のペースで出演し忙しかったので、まとまった休みを楽しめたという感じ。自粛期間中でも練習や技術を磨くなどしてモチベーションは維持できた。所属先のオーケストラは7月からお客さんを入れての演奏会を再開した。
- 長原さん
- 何もできなかった期間は、モチベーションが下がった。(鈴木さんと同じオケでの)コンサートは4カ月ぶりでとても緊張した。人数制限により間隔が空いた客席には違和感を覚えた。
—無観客演奏や無料ライブ配信についてはどう思うか。
- 長原さん
- 人前で弾くのが音楽家としての本来の姿。客席から拍手がないのが、通常のコンサートとの一番の違い。生計を立てることを考えると、ずっとこの状態が続くのは正直つらい。
- 鈴木さん
- コンサートホールからのライブ配信は、音響面においてほかのライブ配信とは違い、気持ちいい。いろいろな方に聴いてもらえるという観点からすれば、オンライン配信はクラシック音楽の間口を広げるチャンスではないかと思う。
- 中木さん
- (演奏時にソーシャル・ディスタンス=社会的距離=を取りながらも)誰かと一緒に弾ける、音を共有できるという喜びは格別。無観客やライブ配信であってもアンサンブルで感じたものは絶やさないようにしたい。
—岡崎市民らへメッセージを。
- 長原さん
- とにかく3人とも元気。11月の本番を楽しみに待っていてほしい。
- 鈴木さん
- ライブ配信ではエネルギッシュに演奏する。画面越しでもいいので、それらを感じ取ってもらえたらうれしい。
- 中木さん
- ライブ配信では11月に演奏するハイドンの曲のほか、ベートーベンの曲も演奏する。2曲合わせて聴けるのはここだけ。自宅などでくつろぎながら聴いてほしい。
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ライブ配信の様子は、同センターのホームページ経由で視聴できる。