「制度の活用を」
雇用調整助成金の現況
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、売り上げが減少した事業所などが休ませた従業員に支給した休業手当を補償する「雇用調整助成金」。書類の煩雑さが話題になったが、現在は改善されている。岡崎公共職業安定所に現況を聞いた。(竹内雅紀)
雇調金は新型コロナの影響で、4月1日〜9月30日を緊急対応期間として特例措置が取られている。1人当たりの上限日額1万5000円、助成率の拡充、計画届の事後提出(後に提出自体が不要に)、雇用保険被保険者以外にも適用(緊急雇用安定助成金)などが主な特徴。当初は“使い勝手の悪さ”が指摘されていたが、今では提出・添付書類が従来よりも少なくなった。
岡崎の窓口申請は、6月23日現在で590件。愛知県内の取りまとめを行う愛知労働局内の「あいち雇用助成室」によると、県内全体では緊急雇安金も含めると約1.9万件の申請があり、約1.2万件の助成を決定している(25日現在)。申請期限は休業手当支給期間最終日から2カ月以内だが、休業期間が5月31日までに終わっている場合は特例で8月末までの申請が認められている。申請から助成までは約1カ月。
岡崎では感染症対策を取りながら、窓口や対応人数を増やしており、大きな混乱はないという。「必要最低限の書類がそろっていないと厳しいが、上限日額増や手続きの簡略化により、申請増も予想される。雇用を守るという観点からもぜひ制度を活用してほしい」としている。