交付追い付かず
マイナンバーカード申請者増
3、4月は2倍以上
岡崎、豊田、西尾、幸田の4市町で3、4月の個人番号カード(マイナンバーカード)の申請者数が増加した。各自治体担当者は「国の特別定額給付金(一律10万円)のオンライン申請に同カードが必要ということが起因しているのではないか」と分析している。(髙木駿太郎)
4市町それぞれの2カ月間の申請者数は、前年同月と比べて2倍以上に増加している。各自治体は郵送申請よりも先にオンライン申請の受け付けを始めており、いち早く給付金を得ようとマイナンバーカードの申請窓口に住民が並ぶこともあった。
多い時には1週間で614人の申請があった岡崎市では、緊急事態宣言発令後に3密(密閉、密集、密接)防止にとカードの交付通知書の発送を停止していたが、大型連休明けに再開。6月3日には窓口の待ち時間が1時間を超えるほどの住民が詰め掛けた。
市職員は「申請が増えたことにより、国から送られてくるカードの検品などを行う交付前作業が申請数に追い付いていない状況」と影響を話す。申請者の中には「カードがもらえないと給付金が申請できないじゃないか」と不満を口にする人もいたという。
岡崎市福岡町の50代男性は「特別定額給付金のオンライン申請のために申請したが、オンライン申請は手続きが複雑な上に、郵送申請書が先に届いたため申請方法を切り替えた」と話した。また、「カードを受け取りに来る人が多いのは分かっているのだから待ち時間を表示したり、椅子の数を増したりなどしてほしい」と愚痴をこぼしていた。12日午前11時ごろでは、交付窓口付近で10人以上が立って順番を待つ姿もあった。
マイナンバーカードは申請後、約1カ月後に交付通知書が郵送される。その後、各自治体の窓口に
- 交付通知書
- 通知カード
- 本人確認書類
—を持参すると受け取れる。
マイナンバー制度では2015(平成27)年10月から個人番号を通知し、16年1月にカードの交付を始めている。岡崎市の今年4月末現在までの申請率は全市民の19.1%(交付率は13.9%)。
また、希望者にはインターネットなどで文書を作成・送信する際に作成者を証明する「署名用電子証明書」がカードのICチップに搭載されるが、発行後にカードの券面に記載されている住所などが変わった場合には市役所で変更手続きが必要となる。
そのほか、同証明書のパスワードを累計5回間違えるとロックがかかり、市役所で解除申請する必要がある。紛失などによる再交付には手数料800円がかかる。
マイナンバーカードに関する問い合わせは、岡崎市市民課マイナンバー係(23—6800)へ。