再開に向け工夫凝らす
岡崎市内の文化施設 妖怪、浮世絵、図録通販など
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて政府が全国の都道府県を対象に広げていた緊急事態宣言が十四日、愛知県をはじめ三十九県で解除された。愛知県では独自の緊急事態宣言が五月末まで継続されているが、岡崎市内の公共文化施設は、休館期間を利用して館内の点検や収蔵品の整理など再開に向けた準備を進めている。(横田沙貴)
同市の公共施設は、一部を除き三月十三日から臨時休館に入った。四月一日に再開したが、十一日から再び休館し、一カ月以上が経過している。企画展を行う施設では、すぐ開館できるよう会場の準備を整えている。休館中に期日が終了を迎えた企画展は、作品の貸出期間や年間の開催計画などの都合で会期の延期・延長ができなかった。ホールや貸館施設などでは、延期や中止を決めた主催公演、休館中に利用するはずだった市民らの対応に当たっている。
一部の施設ではそれぞれの特色を生かした休館中ならではの取り組みに挑戦している。
おかざき世界子ども美術博物館では、親子造形センターの職員が疫病よけにと話題になっている妖怪「アマビエ」を模したウレタン工作や缶バッジなどを制作。再開後は来場者も作成できるようにする。また、業務用にフェースシールドの自作、センター内の机に飛沫感染防止用のビニールフィルム設置なども行っている。
美術博物館では施設北側の入り口に、収蔵品で「神醫」のあだ名を持つ、中国の長編小説「水滸伝」の安道全を描いた歌川国芳の浮世絵の紹介を掲出している。
三河武士のやかた家康館では、企画展図録の通信販売を始めた。「武士の心根 拵―柳生・尾張を中心に」(郵送料込みで四百九十円)、「日本刀押形展―幽玄美の世界」(同二千三百七十円)の二種類を扱う。過去の展覧会の図録販売も検討しており、整理中に一九八三(昭和五十八)年の企画展図録も見つかった。問い合わせは、家康館(24―2204)へ。