テレワークとは
本紙記者がオンライン取材
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、各分野で注目を集めるテレワーク。しかし、「導入にどういった準備が必要か分からない」という声も聞かれる。そこで、テレワーク推進に取り組む岡崎市男女共同参画課に協力してもらい、手法の1つであるオンライン会議で記者自身が体験しながらテレワークについて取材した。(横田沙貴)
今回は、オンライン会議サービス「Zoom(ズーム)」を使い、南明大寺町の本社と市福祉会館、在宅勤務する同課担当職員の自宅の3カ所をインターネット回線でつなげた。
同課はテレワークを「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所にとらわれない柔軟な働き方」と説明。インターネット回線や電話、ファクスなどで勤務先や取引先などと連絡を取り合いながら働く在宅勤務以外にも、顧客先や移動中などに仕事をする「モバイルワーク」、勤務先以外の時間貸しオフィスなどを使う「サテライトオフィス」などの方法がある。担当職員は「柔軟な働き方ができるため、岡崎市では女性就労支援の面で注目している。災害時や新型コロナのような非常時にも役立つため、BCP(事業継続計画)でも有効」と言う。
オンライン会議はネット回線を通じて音声や映像を相互にやりとりできるシステム。無料サービスもあるため、ネット環境とスマートフォンやパソコンなどの端末があれば、いつでもどこでも利用でき、導入しやすい。複数人と同時にやりとりできるため、遠隔地にいる社員や取引先とのミーティング、在宅での講演・セミナーなどで利用されている。
市が昨年秋に実施した、無作為抽出した市内の500社を対象にしたテレワークに関するアンケートによると、導入率が4.9%と低水準。製造業が産業の中心のため導入が伸び悩んでいるとみられる。一方、市が昨年度末の3月に始めた緊急支援事業の「テレワークアドバイザー派遣」には、3月の1カ月間で3社、4月からの今年度実施分は27日現在で8社の申し込みがあった。「新型コロナの影響でテレワークを導入せざるを得ない状況になり、利用者が増えていると思われる」
テレワークを業務に使う場合の注意点は「就業規則や勤怠管理、ネットセキュリティー見直しといった社内環境の整備」と「経営者・従業員への周知・浸透」。担当者は「従業員らがテレワークの必要性を感じられず、導入したシステムが使われなくなってしまうことを避けるため」と説明。同課は「そこまでハードルは高くないように思う。さまざまな支援事業を活用して、まずは試してみてほしい」と話している。