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東海愛知新聞

木製治具で効率化

岡崎のオーケーエスが
「あいちサービス大賞」特別賞

治具設計・製作などのオーケーエス(岡崎市日名南町、太田裕一郎社長)が、先進的なサービスを提供する県内の事業者をたたえる「第2回あいちサービス大賞」で2位に当たる「審査員特別賞」を受賞した。金属や樹脂などの機械加工や部品の組み付けなどの作業を補助する「治具」で、作業効率化につなげた独自のサービスが評価された。()

同大賞は、受賞事業者の取り組みを紹介することで県内のサービス産業の生産性向上を図ることを目的に昨年創設。今回の応募総数は44件。書類審査、現地での聞き取りなど3つの選考で「生産性の向上度」「新規性・独自性」「他の事業者への波及効果」などが審査された。

同社は作業効率化支援サービス「治具革命」で応募。全国で作り手が少なくなっている木製治具の受注生産をはじめ、長年培った技術や経験を生かして業務効率化を支援する。製造現場で多く使われている金属や樹脂の治具は機械加工が必要で完成まで3〜5日程度かかる。だが、木製治具は人の手で作業できるため1日で完成させることが可能。製造コストも半分程度に抑えられる。重量が軽いため持ち運びやすく、落下などで従業員がけがをする可能性が低くなるといった利点がある。

1977(昭和52)年創業の同社では自動車部品メーカーとの注文を中心に事業を展開してきた。だが、電気自動車の普及をはじめとした自動車産業全体の動向を「部品数が通常の自動車より少ない電気自動車に製造が移行すると、必要な治具の数も少なくなる」と不安視。自動車以外の業種への参入を目指して「治具革命」を考案した。

商談会では木製治具が注目を集め、電気機器や住宅、厨房機器、家具などのメーカーから注文が入った。中には、木製治具を使用していた取引先の廃業に伴い、同社に治具製作を依頼したという企業もあるという。

また、サービス導入で従業員にも影響が出た。普段は製造に関わる従業員が商談会や営業に参加したことで、顧客の声を直接聞くことでモチベーションの向上にもつながったという。

太田社長は「製造業でありながら、『治具革命』がサービスと認められたのはうれしい。木以外のノウハウも生かし、今後もさまざまなニーズに応えていきたい」と話した。

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