高度医療を強化
市民病院 PET-CTとダビンチ稼働へ
岡崎市民病院で、想定外の部位の腫瘍やがんの転移巣を見つける「PET-CT」と、手術支援ロボット「ダビンチ」が4月に稼働する。PET-CTは県内の公立・民間病院で4例目、ダビンチは県内の公立病院で7例目の導入となる。
PET-CTは、がん細胞が多量のエネルギーを消費する性質を利用。患者に微量の放射線を帯びた「エネルギー」となるブドウ糖を事前に注射し、集積したブドウ糖が体内から放射する放射線の強さを画像化(PET画像)。PET画像とCT画像を融合させて転移巣を検出するほか、悪性腫瘍の治療効果判定の精度も増す。
1センチ単位の腫瘍を診断することが可能で、肺がんは100%、膵臓がん、卵巣がん、リンパ腫はいずれも90%以上、大腸がんは86%の検出率とされている。一方、健康保険を使用しない場合は検査費用が約10万円と高額となるほか、腫瘍かどうかの判断が分かれる場合や診断が困難な種類のがんの存在といった点もある。稼働開始は4月13日。
ダビンチは3Dハイビジョン画像を送る直径8ミリの内視鏡が付き、人間の手の可動域を上回る7方向に動くアームを執刀医が画像越しにレバーで操作。執刀医の手の動きはモーションテクノロジーで手振れを補正した上で正確に再現される。
患者の出血や術後の痛みを軽減し、手術創を最小にとどめる。同院では4月下旬にも最初の手術が予定されている。(今井亮)