「不安少し解消」
新型コロナウイルス 岡崎小学校で住民説明会
新型コロナウイルスの集団感染で横浜港に停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」を下船した乗客の経過観察を行っている藤田医科大学岡崎医療センター(岡崎市針崎町)に隣接する同市岡崎小学校で21日、保護者や学区総代らに向けた説明会が開かれた。約290人が参加し、厚生労働省や同センター、県、市保健所、市教育委員会の説明と質疑応答が約3時間にわたって行われた。(横田沙貴)
説明会は18日夜に続いて2度目。一連の報道を受けて同校の児童が他校の児童にウイルス名と学校名をもじってからかわれたり、接近を嫌がられたりするような様子があるとして、市教委に児童への心のケアを要望する保護者もいた。市教委は「しっかり受け止めて対応していきたい」として、市内小中学校へ風評被害や人権侵害、偏見などに関する指導を行うよう依頼。市教委から全児童生徒に向けメッセージの発信を行うと答えた。
5年男児の母親は「乗客の受け入れは驚いたが、一番困っているのは乗客だと思うので仕方ないと思う」と一定の理解を示した。18日の説明会にも参加したという2年女児の母親は「今回は丁重に謝ってもらい、不安が少し解消された」と評価。一方、「情報不足が不安なので、嘘偽りない情報の提供をお願いしたい」と求める母親もいた。
同センターを運営する学校法人藤田学園は、ウイルス検査で陽性反応だったが肺炎の症状が出ていない男女2人が、22日に同施設を退所したことを発表した。同日朝に厚労省を通じてロシア大使館より連絡があり、退所が決まったという。
男女は19日午前2時過ぎの“第1便”で到着。22日午前11時ごろ、センターのスタッフに付き添われて施設正面の出入り口から出発したという。22日正午現在、施設内の滞在者は81人となり、同法人は「この日の乗客らの受け入れ予定はない」としている。