地域の魅力を発信
幸田町内でオールロケ 短編映画「せみのこえ」
地域の魅力を全国に発信—。幸田町内で1月29日から2月2日まで、短編映画「せみのこえ」の撮影が行われた。吉本興業が中心となって取り組んでいる地域発信型映画の一環。沖縄国際映画祭(4月16〜19日)で上映され、地元では夏ごろに町民会館で上映会が予定されている。(竹内雅紀)
全国各地で同型の映画製作に取り組むプロジェクトに幸田町がオファーを出し、実現した。浄土寺(大草)や役場に隣接する幸田中央公園など撮影は全て町内で行われ、町民もエキストラとして約40人が出演している。
女子高生が亡き母の手紙を手掛かりに男を探していると、僧とその父に出会い、一緒に生活する中で成長していくというストーリー。主演の女子高生役には、大阪を拠点に活動するアイドルグループ「NMB48」の元メンバー太田夢莉さん(20)、僧役は俳優の小嶋修二さん(20)、父役は星田英利さん(48)=旧芸名ほっしゃん。=が務める。監督は愛知県出身の北村潤伍さん。
役場で1日に記者会見が開かれ、同席した成瀬敦町長は「幸田町はこれまで映画の舞台になったことはなかった。観光地ではないが、映画が知名度向上のきっかけになればうれしい」と話した。北村監督は「まちと人の温かさが表現できた」と総括した。NMB48を昨年11月に卒業し、映画初主演となる太田さんは「家族や人の大切さが感じられる映画だと思っている。いろいろな世代の方に見てほしい」とメッセージを送った。
会見後には、エキストラの町民が凧揚げをしている中を太田さんと小嶋さんが歩くシーンなどが幸田中央公園で撮影された。
映画の上映時間は約30分の見込み。メインロケ地となった浄土寺の飯田大全住職(40)は「歴史を感じる造りが気に入ってもらった。撮影時の緊張感は『すごい』の一言。完成した作品を見るのが今から楽しみ」と話していた。