1人1台端末を貸与
市教委 岡崎版GIGAスクール構想
岡崎市は30日、公立小中学校全67校を対象に、ICT(情報通信技術)教育のための環境整備や児童生徒の個性に合わせた教育方策などを盛り込んだ「岡崎版GIGAスクール構想」を公表した。全国の学校で通信設備などを整えるため、国が昨年末に公表した「GIGAスクール構想」をもとに、同市が蓄積してきた教育ノウハウを生かし、教育現場で利用できる実践的な内容になっている。(横田沙貴)
GIGAスクール構想では、校内に大容量通信ができるLAN(構内情報通信網)ネットワークを用意し、パソコンやタブレット端末などを児童生徒が授業時に1人1台扱えるよう配備する。個別の端末で子どもの個性や能力に合わせた教育を進めることが目的だが、整備後の具体的な運用方法は触れられていない。
岡崎版は事業方針として、
- ICT環境の整備=2020年度中の全校での校内ネットワーク整備、ICT支援員の拡充、個人用タブレット端末貸与
- 学び方改革=一斉授業の脱却、「岡崎市プログラミング教育」にICT活用、家庭学習との連携
- 働き方改革=専用端末での業務効率化、研修へのeラーニング導入、会議資料などのペーパーレス化
—を挙げている。
岡崎独自の方策として、小学4年生以上の児童・生徒全員に中学卒業まで個人用タブレット端末を貸与する。20年度にはデジタル教科書(QRコードが印字されており、音声や映像などの追加資料が閲覧できる教科書)が導入されるため、学習に役立てられるという。同市教委は「端末の個人貸与は公教育分野で前例がなく、極めて先進的」としている。
市内では、13(平成25)年度から中学校にタブレット端末を導入。個人貸与用には、現在配備中の3000台のほか、20年度内に約2万台を追加購入して充てる。また、22年度までに全ての児童生徒が1台ずつ端末を持つことができるようにするという。
市内では67校中35校で有線LANが設置済み。20年度は全小中学校の普通教室約1600室で有線・無線両方のLANネットワークをつくる。