「ダヴィンチ」導入へ
市民病院 来年6月の手術実施目指す
岡崎市民病院が手術支援ロボット「ダヴィンチ」の導入準備を進めている。来年6月に最初の手術実施を目指しており、12月2日開会の同市議会12月定例会で、ダヴィンチ本体の購入費3億3,165万円と器械備品設置に関する経費1億1,777万円の債務負担行為を盛り込んだ病院事業会計補正予算案が上程される。(横田沙貴)
同院総務課によると、昨年4月に手術支援ロボット手術への保険適用が拡大された。同院では腹腔鏡手術が広く実施されているが、外科系の大学医局からもダヴィンチの導入を強く求める声があり、医師の確保にもつながるとして導入を決めた。愛知県内では大学病院を中心に多くの病院で利用されているほか、豊橋市民病院など自治体病院6院でも導入されているという。
ダヴィンチは患部撮影用カメラと患者に手術を施すロボットアーム計4本が取り付けられた「ペイシェントカート」(高さ174~247センチ、幅98センチ、奥行き149センチ、重量約821キロ)、三次元画像を作成する「ビジョンカート」(高さ193~223センチ、幅63センチ、奥行き93センチ、重量約264キロ)、医師が操作する「サージョンコンソール」(高さ145~178センチ、幅97センチ、奥行き87センチ、重量約264キロ)の3つで構成する。アームの関節可動性が高く、三次元画像の拡大も行えるため精緻な手術が可能。切開範囲が少なくなるため患者の負担軽減、医師が座った状態で手術を行えることから医師の負担軽減にもつながる。
今回の補正予算では、今年度内にダヴィンチ本体を購入するため、購入費を今年度予算に計上。来年度早々にダヴィンチ本体や専用装置の設置・給排水空調工事などを行うため、今年度内に購入手続きを行うものは債務負担行為に追加した。
設置工事と並行し、ダヴィンチ手術の経験がある医師を招へいする。同院スタッフは2カ月以上の規定の研修を実施して備える。導入直後は前立腺がんや腎がんの手術で利用し、順次肺がんや縦隔腫瘍、直腸がん、胃がん、子宮がんなどにも利用を拡大するとしている。