嫌なこと「武器」に
葵中 俳優・副島さんが講演
岡崎市葵中学校で11日、恒例の「教育講演会」が開かれた。今回は、俳優でタレントの副島淳さん(35)が、全校生徒や地域住民ら約770人の前で「『オンリーワン』はスペシャル!」と題して、自身が抱えていた悩みや人生の転換点などについて話した。(横田沙貴)
副島さんは東京都生まれ。母は未婚のまま副島さんを出産し、副島さんは実の父の顔も名前も知らないという。7歳で母が結婚し、妹が生まれたが、結婚後に義父が暴力を振るうようになった。9歳で母と妹と3人で千葉県浦安市に移住したが、転校先の小学校で、色黒の肌や特徴的なアフロヘアなどが原因でいじめを受けるようになった。他人と会話できず通学も苦痛になったが、副島さんの母は「逃げては駄目。人と違うことはいいこと。いつか絶対に楽しいときが来る」と励ました。
中学校に進学しバスケットボール部に入部すると、3年間で身長が30センチ伸び、部のエースに成長。チームメートとの会話から、他人と会話できるようになった。髪型や肌をからかわれても「日サロ(日焼けサロン)で寝過ぎた」「理科室の片付けをしていたら爆発した」と言い返すようになり、「昔は嫌だった容姿が、今では『武器』になっている」と振り返った。
バスケのスポーツ特待生として高校、大学に進学。大学在学中に映画作品に出演したのがきっかけで卒業と同時に芸能活動を始めた。さまざまな出会いを経て、30歳ごろから芸能活動のみで生活できるようになった。
副島さんは「母が『逃げては駄目』と言わなかったら今の自分はなかった。ずっと母の言葉に支えられていた」と感謝を述べた。