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東海愛知新聞

増税直前でも穏やか?

岡崎 事業者の相談は増加傾向

10月1日の消費税率引き上げを控え、岡崎市内の商業施設などは特別セールを展開している。2014(平成26)年4月以来5年半ぶりの増税に対して、消費者の反応は比較的穏やかだ。軽減税率やキャッシュレス決済といったシステムにも対応しなければならない事業者らに話を聞いた。()

日名北町のアピタ岡崎北店では、9月から「チャンスは今!」などとうたってセールを実施中。日用雑貨や化粧品などの売れ行きが好調という。洗剤やビール、生理用品といった10月から10%となり、需要が高い商品をまとめたコーナーもある。従業員は軽減税率の対象か否かの商品例を参考にしながら意識を高めている。ただし「先回に比べると、お客様の意識は高くないように感じる」と言う。買い物客からは「トイレットペーパー以外では、布団をこの機会に買おうかなという程度」、「そんなに大量買いはしない。食料品の税率はそのままだしね」などの声が聞かれた。

増税後は、価格表示を従来の本体と税込み併記から、本体と「+税」に変わる。また、多くが8%の商品の中に10%の商品がある場合は、分かりやすい表示にする。カード会員に送る5%割引チケットは、10月のみ利用可能期間を延長するなど、増税後の消費喚起策を練る。

戸崎町の西武岡崎店では、増税前セール「ファイナルスペシャル」を実施。冬物コートを例年より早く売り出したり、ワイシャツなどのビジネスアイテムのまとめ買いやキッチン用品買い替えの推奨コーナーを作ったりしている。

9月中旬からは宝飾や時計、婦人服などの高額品が好調。前年の2倍以上の売り上げとなり、化粧品の売れ行きも伸びている。増税後の反動減対策として、食品の催事企画などを予定している。

市内に新車販売4店舗を構えるホンダカーズ三河(六名南2)は「駆け込み感は特になく、期待外れ。計画の修正が必要になる」としている。材木町の飲食店は、キャッシュレス決済対応やレジ設定も済ませ準備万端。「増税後の方が忙しくなるのでは」と予測する。軽減税率の相談を顧客から受けるという税理士は「始まってみないと分からない部分もある。税率8%でも9月までと10月からの2種類。これに10%もある。申告は相当面倒になるはず」と答える。

岡崎商工会議所によると、会員事業所のうち飲食・サービス業など約1100社が軽減税率を導入する。懸念材料は税率の計算ミス。領収書は税率別に表示しなければならず、手書きでも税率の違いが分かるような対応が必要だ。決算時の経費の税率違いにも注意を呼び掛けている。

また、ポイント還元などの消費者への特典があるキャッシュレス決済の動向は、軽減税率導入の約1100社のうち、4割がキャッシュレス化した。商議所は10月以降も個別相談会や関連セミナーを実施する。

岡崎ビジネスサポートセンターでは、9月からキャッシュレス化に関する相談が急増。24日から相談員を増員して対応している。

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