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東海愛知新聞

後世に語り継ぐ平和

広島の調律師・矢川光則さん 被爆ピアノと共に岡崎で講演

後世に語り継ぐ平和―。74年前に原爆が投下された広島で奇跡的に焼け残ったピアノを“再生”したピアノ調律師の矢川光則さん(67)が24日、岡崎市康生町の岡崎ニューグランドホテルで講演し、平和の尊さを訴えた。()

同市倫理法人会経営者モーニングセミナーの講師として登壇した矢川さんは「被爆ピアノ」を持参した。広島市では爆心地から半径2キロ以内が焼け野原になった。持参したピアノは、爆心地から約1.5キロの民家の中にあり、音楽教師の男性が大正9(1920)年ごろに購入したヤマハ製。現存10台とされる被爆ピアノのうち6台は、ピアノの修理なども行う会社を営む矢川さんが持ち主から託されて保管している。今回のピアノは爆心地から最短距離で最古とされる。5年前に引き取り、修理をした際には内部からガラスの破片が出てきた。「貴重な被爆資料となるため、手作業で最低限の修理しかしない」と言う。

被爆ピアノを活用して平和コンサートを展開する矢川さんは、4トントラックにピアノを積んで全国各地を巡回している。2005(平成17)年の愛知万博にも登場した。偏見から放射能を心配する声もあるというが「戦後74年が経過しており、放射能はピアノからは出ていない」と断言。被爆2世でもあることから、後世に平和の尊さを語り継ぐ重要性を認識しており「被爆ピアノを使い、平和の種まきをすることが大きな役割」とした。

この日は会場でピアノ演奏もあり、被爆を感じさせない明るい音色が響き渡った。矢川さんをモデルにした映画「おかあさんの被爆ピアノ」が、被爆75年の来年公開予定。矢川さん役は佐野史郎さん、ヒロインはAKB48の武藤十夢さん。

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