給水区域30%縮小へ
岡崎市 適正化案の意見募集
岡崎市は水道事業で、水道利用者に給水を行う地域の範囲「給水区域」の見直しを行っている。区域の適正化を通じて、新たな地域への施設整備を抑制し、水道事業の経営安定化につなげる。市は8月5日から同区域の適正化案を公開し、9月5日までの1カ月間、市民の意見を募集する。
市上下水道局水道工事課によると、同区域は市の条例で範囲が設定されており、この範囲内に水道利用者がいる場合、原則給水する義務がある。だが、現在設定されている給水区域には山間地域や矢作川、農地などの給水需要がない地域も含まれている。
適正化案では、市街化区域と現在給水している地域を除いて、既存の配水管からおおむね100メートル以上離れた地域を給水区域から除外。現在204平方キロメートルある区域の約30 %に当たる、61平方キロメートルが縮小することになる。設備の撤去や増設などはないため、水道利用者への影響はない。
適正化が行われない場合、水道管の一定距離当たりの接続件数が減って、契約者当たりの管の維持・保守費用の増加、区域内の給水効率の低下などの影響が出る可能性があるという。
同様の見直しは全国の自治体でも検討の準備に入っているというが、同課は「削減に向けた見直し案を提出したのは、おそらく全国初」という。
再設定には市の条例改正と厚生労働省の認可が必要になる。今後は市民の意見を元に適正化案を再検討。市議会12月定例会への条例改正案上程、今年度内の厚労省の認可許諾、来年度からの適用を目指している。
資料は市役所西庁舎1階の市政情報コーナーや西庁舎5階の同課、市ホームページで公開する。意見は住所、氏名、電話番号(団体は団体名と所在地、代表者氏名、連絡先)を明記し、同課へ持参するか、ファクス(23―6729)、メール(suikoji@city.okazaki.lg.jp)、市ホームページで提出する。(横田沙貴)