スマホ活用し119番
岡崎市消防本部の入山さん全国意見発表で2位
岡崎市消防本部共同通信課の入山誉之消防士長(32)が、福岡市で5月29日に開かれた「第42回全国消防職員意見発表会」(全国消防長会主催)で全国2位に当たる優秀賞を受賞した。同本部からは3人目の全国出場だが、優秀賞受賞は初めて。(横田沙貴)
発表会は、消防職員が業務に対する提言や課題などについて5分以内に述べ、発表内容の論旨の明確さ、業務に対する先見性、発表態度などを審査。今回は入山消防士長を含め全国9支部の10人が登壇した。
入山消防士長は「すぐ行きます」と題して、119番通報時の出動場所の特定や状況確認にスマートフォン(スマホ)に内蔵されているGPS(衛星利用測位システム)とカメラを活用することを提案。通報者にスマホの地図アプリでGPS座標値を確認してもらったり、周囲の様子を撮影した写真を送ってもらったりする。また、カメラで患者の様子を撮影して救急救命法を実践してもらうこともできると訴えた。
同本部によると、携帯電話で119番通報すると、本部の通信指令台で通報者の位置情報を確認できる。だが、携帯電話会社や機種によって位置情報に誤差が生じ、場合によっては1キロ以上になることもあるという。また、山間部や堤防道路の上など、目標になる建造物のない場所への出動要請、土地勘のない人からの通報などでは出動場所の特定が困難になることも危惧される。
同本部では、本部内選考会で入山消防士長が発表したのをきっかけに、市内での救命講習の模擬通報訓練などで位置情報の確認方法を周知している。
入山消防士長は「『消防車をすぐ向かわせたい』という思いで今回の発表内容を考えた。発表会を通じて、119番通報でのスマホの活用が全国に広まってほしい」と話した。