産学連携で研究開発
岡崎 分子研 専門部署と支援組織発足
岡崎市明大寺町の自然科学研究機構岡崎コンファレンスセンターで19日、同機構分子科学研究所に今年度新設された「社会連携研究部門」と、ものづくりをはじめとした複数の出資企業で構成される外部支援組織「小型集積レーザーコンソーシアム」の発足式が行われた。研究者やコンソーシアム会員企業などの約120人が出席した。(横田沙貴)
産学連携の推進を目的に同部門を設置。同部門では、コンソーシアム会員企業の会費を平等拓範特任教授の研究グループの研究費に充てレーザー関連技術の研究開発を行う。研究成果は出資企業を通じて社会へ発表していく。コンソーシアムでは企業も含めた人材育成、社会連携なども図る。現在、自動車部品やレンズメーカー、金融機関などの18社・団体が賛同している。
同研究所によると、レーザー技術は材料加工や検査、溶接、画像解析といったさまざまな分野で活用できる。同研究所では20年ほど前から小型で高出力のレーザー装置などの研究開発に取り組んでいる。振動に強い小型レーザーなどもあり、産業転用も期待できる。
従来の産学連携は研究者同士のつながりなど、個人的な人脈から広まることが多いという。川合眞紀所長は「さまざまな視点を持つ企業や団体、研究者が知識や技術を持ち寄り、レーザー技術などについて考える機会になる。発展的議論につながれば」と期待を寄せている。
発足式で小森彰夫機構長は「(コンソーシアムには)産業界からもその可能性に注目が集まっている。産学連携を推進することで社会貢献を果たしたい」とあいさつ。平等特任教授は「サイエンスの追究とビジネスの成功という夢を皆さんと追い続けたい」と述べた。