絵や詩でたどる生涯
子美博 村山槐多没後100年記念展
22歳で早世した岡崎市出身の画家村山槐多(1896―1919年)の没後100年を記念した特別企画展「没後100年 岡崎が生んだ天才 村山槐多展」が1日、おかざき世界子ども美術博物館で始まった。槐多の生涯を約260点の絵画や詩と共にたどる展覧会になっている。7月15日まで。(横田沙貴)
代表作の「尿する裸僧」「バラと少女」「信州風景」などに加え、少年時代に描かれたスケッチやパステル画、油絵など、初公開の141点も並ぶ。
同館学芸員の村松和明さんによると、初公開の作品は槐多の同級生や恩師らの遺族が所有するもので、紙に格子状の線を引いて正確に風景を描く練習をしていたとみられるデッサンや、同じ場所で描かれた複数の風景画などがあり、槐多が論理的に絵を学んでいたことが分かるという。
また、家具の艶出しなどに使われる「シュラック樹脂」でパステルの粉末を紙に定着させる独自の手法を編み出していたことが分かった。槐多のいとこで画家の山本鼎が開発に協力したオイルパステル「クレパス」に描き味が似ており、村松さんは「鼎が槐多の手法を参考にしてクレパスを作ったのではないか」としている。
観覧料は高校生以上800円、小中学生100円。市内の小中学生らは無料。問い合わせは、同館(53―3511)へ。