ゼロ歳児からの性教育
幸田の助産師 岩本さんが親子向けに講座
幸田町の助産師岩本知帆さんが、ゼロ歳児からの性教育を推奨している。「小さいころから家庭で話をすることが大事。助産師として皆さんの笑顔と健康をサポートできたら」と、親や子ども向けの講座を開いている。(竹内雅紀)
福島県生まれの岩本さんは獣医志望だったが、高校時代に足を運んだ「1日看護体験」を機に北海道の看護大学に進学し、助産師の資格を取得した。11年前に結婚し、現在は男女2人ずつ計4人の母親でもある。今年1月には、産後ケアや妊娠前の女性たちの役に立ちたいと出張専門の「さくらんぼ助産院」を開院した。
岩本さんはかつて中絶を繰り返す女性に接したことがあった。その時感じたのは「妊娠したい時に子どもを授かって産めるのがいい。そうでない時はしっかりと避妊をすべき」だった。そのためには幼少期からの性教育が必要であり、一番身近な親も一緒に学んでほしいという思いが芽生えた。
「日本では『性教育=いやらしい』と感じる人もいるようだが、命の始まりと考えることもできる」と岩本さん。男女の性の違いや女性の月経(生理)などは、決して隠し事ではないと強調する。インターネットのアダルトサイトなどは男性的視点のものが多く、偏った見方や勘違いをする人も出てくると警鐘を鳴らす。
4月中旬に岡崎市内で開いた講座は、日本おまたぢから協会が監修する「せいりのがっこう」初級編。女性に月1度訪れる生理を「赤ちゃんの部屋の掃除」と表現した。模型を使ってのデリケートゾーンの洗い方や避妊具の種類、サイズなどについても説明した。「未成年で性被害に遭う女性もいる。男性も含めて避妊方法をきちんと学ぶべき」。受講した3児の母は「とても分かりやすかった。母親としてしっかりと子どもに伝えていきたい」と感想を話した。
岩本さんはこのほか、生理が快適になる方法や小学生向けの性教育の講座なども開設している。問い合わせは、岩本さん(090―2025―1709)へ。