魅力発信へ“出発”
南公園のSLが市に譲渡
岡崎市南公園で展示されている蒸気機関車(SL)「D51-688号」が2月1日付で、JR東海から同市に譲渡された。市公園緑地課は「市の魅力を発信する新たなツールとして、蒸気機関車を活用していきたい」としている。(今井亮)
SLは、南公園内の交通広場を整備する際に「目玉になるものを」と、市がJR東海の前身である旧国鉄名古屋鉄道管理局に貸し出しを依頼。1973(昭和48)年から、45年以上にわたって無償で借りていた。SLはこれまで、静止した状態で据え付ける「静態展示」が条件だったが、所有権がJR東海から市に移ったことで動かすことも可能になったという。
SLは旧国鉄浜松工場で42年に製造。73年に廃車となるまで、戦中・戦後の東海道、北陸、東北、奥羽、中央各線を走り続けた。全長19.5 m、高さ約4 m、幅約3 m。積載物がない状態での重量は約87 t。
同園に据え付けられて以来、旧国鉄OBや愛好家でつくる市民活動団体「D51-688号蒸気機関車保存協力会」が、SLの定期的な維持管理を行っている。同会は今回の譲渡を記念し、SLのガイドブックを発行。4月1日から1部2,000円で、同園交通広場の窓口などで販売する。