地元の森を守りたい
岡崎市宮崎小 児童が自然を体験
岡崎市宮崎小学校の児童が6月から石原林道協議会が主催する自然体験の事業を通して、地元の山や森林について学んでいる。18日には今年度最後の事業が行われ、全4回参加した児童からは「地元の森を守りたい」などの言葉が聞かれた。(竹内雅紀)
この日は「食べる」をテーマに石原公民館などで「山の講の風習を通した山への感謝の会」と題して行われた。
同館では全校児童34人が参加。地域史研究家の谷澤未知雄さんから「山の講」について話を聞いた。「講」は心を同じくしている人の集団で、宮崎地区では山を大切にしようとする人の集まりが昔からあると解説。山の神様(同地区の場合は男性)に対して五平餅を供える風習があり、五平は供え物の総称「御幣」が語源とも伝えた。五平餅は三河地方の山間部や岐阜、長野県の一部の文化であり、神事後に供え物の御幣に似た形の食べ物をコメで作ったことが由来とされている。
講話後の神事では、自然体験の中心となった5年生5人が1人ずつ玉串拝礼。また、全校児童で五平餅作りを行い、元岡崎市文化財保護審議委員の宇佐美正子さんが指導に当たった。地元産の木の棒につぶしたコメを巻き付けて焼き、味噌を付けて味わった。また、地元のジネンジョやコンニャク、キノコ汁なども堪能し、山の幸にも感謝した。
5年生の荻野琴羽さんは「実際に森の中を歩いてみて今の森の状況を知ることができました。地元の森を守っていきたいです」と振り返った。同協議会の梅村順一会長は「事業は県の補助金を活用した。自然を通して地域の人たちと触れ合えたことは子どもたちにとっていいこと。来年以降も継続できたら」と話していた。