侵入盗多発で独自対策
岡崎署管内上半期情勢
岡崎署管内(岡崎市、幸田町)では上半期(1〜6月)、侵入盗や特殊詐欺被害が増加し、交通事故で7人が死亡した。残る約5カ月を安全に過ごすためにも管内の上半期犯罪・交通事故情勢を振り返る。(大山智也)
「現金ゼロ宣言」 特殊詐欺も倍増
上半期の刑法犯認知件数は、1352件(前年同期比47件増)と微増。同市東部地域で昨年多発した連続車上狙いの犯人逮捕により、車上狙いは83件(同71件減)とほぼ半減したものの、空き巣に代表される侵入盗が185件(同76件増)、特殊詐欺が既に前年1年間と同数の14件(同7件増)に倍増するなど、被害総数は増加した。
侵入盗は、同署が県内ワースト。種別では、住宅対象侵入盗が102件と侵入盗被害ワースト2(163件)の一宮署よりも少なかったものの、会社事務所などを狙った事務所荒らし、商店を狙う出店荒らしが多発した。これを受け同署は、独自の対策として「現金ゼロ宣言」運動を推進。店舗の経営者や責任者らに対して店内に現金・貴重品を残さないよう指導し、現金ゼロ宣言をPRするカードを店外に掲示することで、出店荒らしの未然防止を図る。
倍増ペースの特殊詐欺は、14件中11件が子どもや孫など家族の名をかたり、高齢者から現金をだまし取るオレオレ詐欺。前年は被害者から直接現金を受け取る手交型が大半を占めていたが、上半期は現金自動預払機(ATM)から振り込ませる手口と手交型が半々。岡崎信用金庫を中心に県内の信金・地銀が特殊詐欺対策として導入した70代以上の振込限度額制限などの効果か、70代以上の被害が減少したが、制限対象外の60代の被害が増加するなど、予断を許さない状況が続いている。
交通事故死者7人 飛び出しに注意を
上半期の人身事故は907件(同191件減)と前年に比べ大幅に減少したが、交通事故死者は7人(同3人増)と大幅増。また、物損事故は6432件(同313件増)で、事故総数は増加した。
死者のうち4人が自転車に乗車。1人は単独の転倒事故だったが、3人は走行中や道路横断中に乗用車にはねられた。6月には、女性が自宅駐車場から乗用車を発進させた際に幼い息子をはねて死亡させる痛ましい事故も発生。死亡に至らないまでも、商業施設駐車場など幼い子どもと乗用車が接触する同様の事故が発生しており、同署交通課は、発進時や駐車時の子どもの飛び出しへの注意を促している。
同課は「これからの時期は日の入りが早くなり、夕方から夜間にかけて交通事故が増加する恐れがある。ドライバーは、夏場の感覚で運転せず前方や周囲をしっかりと確認し、歩行者は、反射材を身に付けるなどの対策を」と呼び掛けている。