「湖に沈んだような街」
岡崎市消防本部 西日本豪雨被災地の救助活動報告
「平成30年7月豪雨」(西日本豪雨)で被災した岡山県倉敷市真備町に緊急消防援助隊(愛知県隊)として派遣されていた岡崎市消防本部の職員が、全地形対応型消防車両「レッドサラマンダー」と共に12日に帰還した。愛知県隊に加わった16人のうち5人が17日、市役所で内田康宏市長に活動を報告し、到着直後の同町について「街が湖に沈んでいるような状況だった」と振り返った。(今井亮)
職員は一次隊(8人)が7日午前0時、二次隊(同)が同10時30分にそれぞれ市消防本部を出発、愛知県隊に合流して真備町に向かった。翌8日から警察や自衛隊と合同で町内を流れる小田川に架かる二万橋の周辺の捜索を開始。レッドサラマンダーは通常の消防車両では立ち入ることが困難な悪路を先行した。11日には1人の遺体を発見した。
レッドサラマンダーが対応できる水深は1.2メートル。職員らによると、到着直後は2階建ての建物が屋根まで水に漬かるような深さで、迂回や方向転換を余儀なくされ、水位が下がるのを待って捜索する局面もあった。また地元の消防署の真備分署は消防車両を含めて水没。建物屋上に避難して救出された職員もいたという。
一次隊長を務めた半田一郎消防指令長(54)は「深いところで水深は5〜6メートルに達した上、川の水は茶色く濁り、何が沈んでいるのかも分からない。状況が刻一刻と変化する中で、常に活動を模索し続けた災害現場だった」と振り返った。