「きれいだけど怖い」
南極観測隊越冬隊長 岡崎出身の岡田さんが園児に講演
第58次南極地域観測隊越冬隊長として、南極での調査活動を終えた岡崎市出身の岡田雅樹さん(52)=国立極地研究所宙空圏研究グループ准教授=が21日、中学時代の恩師が園長を務める岡崎女子短期大学付属第一早蕨幼稚園を訪れ、園児や保護者ら約330人に南極の魅力などを語った。(今井亮)
岡田さんを含む24〜56歳の33人で編成する越冬隊は2016年11月27日から今年3月23日までの1年4カ月間、昭和基地に滞在。南極では氷点下30度の中、1年のうち100〜150日間は見ることができるというオーロラをはじめ、ペンギンやアザラシの生態などを観測した。
同園では、昭和基地の周辺に広がる雪原や空を覆うオーロラ、厚さ1メートルの氷が張った湖、岩場に集まったペンギンの集団などを撮影した映像を上映。目の前の視認も困難になる極地の暴風雪「ブリザード」の中を複数の隊員がロープでつないで歩いて進む過酷な場面も。
岡田さんは「きれいなオーロラをたくさん見ることができ、楽しい動物もいるが、怖い時もある。注意して毎日生活していた」と、南極の自然が持つ魅力と脅威を説明した。
講演後は、園児が「南極はどれぐらい寒いの」「“南極グマ"はいるの」「南極の氷でアイスクリームはできるの」などと質問。岡田さんは「真冬の北海道より寒い。クマがいるのは北極だけで、南極にいるのはペンギン。よくかき氷を作っていた」と答えていた。
岡田さんは矢作西小学校、矢作中学校、県立岡崎北高校を経て京都大学に進学し、博士(工学)課程を修了。同研究所ではプラズマ理工学・計算物理学、磁気圏プラズマ物理学を専門分野にオーロラ研究に取り組んでいる。南極調査は1998年から今回で6度目。「大きなけがもなく、隊が無事に帰還できてほっとしている」と胸をなで下ろしていた。