早めの肥料が奏功
岡崎の二村さん 小麦の収穫で農林水産大臣賞
岡崎市の農家、二村誓也さんが、昨年6月に収穫した小麦の10アール当たりの収量が愛知県の平均収量を上回った実績で、「平成29年度全国麦作共励会」(全国農業協同組合中央会、全国米麦改良協会主催)の農林水産大臣賞(農家の部)を受賞した。今回の受賞で、今秋に東京で開かれる「農林水産祭」への参加資格を得た。(今井亮)
二村さんはJAあいち三河を通じてJA愛知中央会(名古屋市中区)の推薦を受け、県代表として東海・近畿ブロックで1位を獲得。全国6ブロック(北海道、東北・北陸、関東、東海・近畿、中国・四国、九州)の農家の中で最優秀賞の同賞に選ばれた。
栽培している小麦の品種は、うどんなどの和麺に向いた「きぬあかり」や「農林61号」、パンや中華麺に向いた「ゆめあかり」の3種類。10アール当たりの昨年の収量は620キロで、県の平均収量473キロを3割程度上回る多収を達成した。機械ではできない天候との向き合い方については「小麦への肥料を切らさないように早め早めの施肥を常に心掛けた」と話す。
28年前に脱サラして家業の農業を継ぎ、妻と両親、義理の息子の5人で家族経営する。12戸の大規模農家がいる岡崎市六ツ美地区の田畑延べ93ヘクタールで、小麦、大豆、稲を「2年3作」体系で栽培。農薬を散布する無人ヘリコプターや、播種と施肥を同時に行う作業機を導入し、作業時間の短縮にも力を入れる。
二村さんは6日、同市役所で内田康宏市長に喜びを報告。「初めての受賞に自分でも驚いた」と二村さん。内田市長は「他の農家の手本になってほしい」とたたえた。