西尾市民病院 連携協議申し入れへ
経営赤字で碧南と統合も
経営不振が続く市民病院の在り方について西尾市は11日までに、碧南市民病院との統合も視野に入れた連携協議を碧南市に申し入れることを明らかにした。同市は1月中にも碧南市に文書で打診する。また、交渉が始まった場合は平成30年度中に一定の方向性を示す考えを表明した。
10日に行われた西尾市議会全員協議会で、両市境付近に2院を統合した新病院を設置し、2市で一部事務組合を設立した共同運営構想が示された。
地方公立病院の統廃合は全国でも例があり、愛知県内でも西知多総合病院(知多市と東海市)がある。西尾市民病院は共同運営で医師不足の解消や診療科の増設・充足、運営費の負担軽減などを見込む。一方で、災害時に矢作川の渡河が困難になった場合や、公共交通機関の少なさによる利便性の低下などを懸念した。
同院によると、11〜27年度は赤字経営。28年度は一般会計からの繰り入れ金で黒字決算となったが、実質は18年連続の赤字。深刻な医師不足で入院患者を受け入れられないケースもあるという。
約2年後にはJR岡崎駅南西で整備されている藤田保健衛生大学岡崎医療センターが開院する。「市民病院の患者の一部が流れる可能性もある」との危機感から同院関係者は「まずは碧南市に交渉のテーブルについてもらいたい」と話している。(横田沙貴)