「木は火に強い」
燃焼実験や講演などのセミナー
愛知県と県森林協会、西三河林材団体連合会による「木造建築防耐火セミナー」が19日、岡崎市内で開かれた。「木材は火に強い」をテーマに実験や講演などが行われた。(竹内雅紀)
午前中は市内の中心部を流れる乙川河川敷で同連合会主催の体験が2つあった。同会の小原淳会長(小原木材社長)は「私たちは地元の木材、国産材の利用を勧めている。きょうのセミナーを通して知識を深めてほしい」とあいさつした。
同社の不燃材を活用した燃焼実験では、愛知県産のスギに不燃加工した小屋と未加工の小屋で燃焼具合を比較した。当初は火種からともに火が勢いよく上がったが、不燃加工の小屋では火が燃え移らず3分30秒ほどで鎮火。一方で、未加工の小屋では勢いよく火が上がり、10分後には原形がないほどに崩れた。
同社関係者によると、不燃加工に使う薬剤は無機物で人体に影響はないという。伊勢神宮の内宮や京都の平等院鳳凰堂などでも同技術が使用され、来年2月に開所予定の市額田センターでは市産のヒノキに不燃加工が施された。金額は通常の木材の3〜5倍。
また、東京で建築事務所を構える安井昇さんが焼きスギ作りを実践。長さ3 m弱、幅21 cm、厚さ15 mmのスギ板3枚を組み合わせて筒状にし、煙突のような形を作った。その中に火種を入れて着火。煙突の内側は焼けるが外側は焼けない技術を披露した。安井さんは「内側の温度は1000 °Cぐらいだが、外側は触っても熱くない。内側は数分で焼け、いい外壁になる。耐久性にも優れている」と強調した。
午後からは安井さんの講演や別の建築設計事務所代表の東海林修さんによる事例紹介、安井さんと東海林さんの対談が行われた。