東海愛知新聞バックナンバー

 6月20日【火】

「桶大太鼓」完成

岡崎・家康公夏まつりで披露

岡崎城下家康公夏まつり(7月30日、8月2〜6日)で披露される八丁味噌の仕込み桶を使った大太鼓が18日、完成した。100年以上の歴史を持つ桶を“再生”した大太鼓の響きが今年の岡崎の夏を盛り上げる。(竹内雅紀)

桶はカクキュー八丁味噌で使用されていた桶3個分の底板を利用。いずれも100年以上使用されていた木桶で明治時代のスギが原料となっている。通常使用されなくなった桶は廃棄されるが、夏まつりのシンボルにしようと、かつて桶から太鼓を作った経験がある三浦太鼓店(岡崎市六供町)の三浦和也社長らが中心となって2月下旬から制作に取り組んできた。

桶を分解後、カンナ掛けや板組み、桶を絞めるためのタガに使う竹磨き、太鼓の皮(牛皮)を縫うための麻糸作りなどを行った。また、太田油脂(同市福岡町)提供の油で胴部分を塗り、皮の表面には三つ葉葵の家紋を施した。

この日、滝町の滝山寺境内で行われた組み上げ作業にはボランティアら約30人が集結。胴部分に200メートル分のロープを巻き付けて絞めていった。完成すると拍手が沸き起こり、試し打ちを実施。「ドーン」と余韻が残る深い音が響いた。

完成した桶太鼓のサイズは直径2メートル、胴の長さは1.6メートル、重さは約200キロ。三浦社長は「これほど大きな太鼓は作ったことがない。ここまでの過程が容易ではなかっただけに、言葉にならない」と感慨深げだった。

夏まつりではこの桶太鼓を2回担ぐ予定。1回目は7月30日に額田地域のわんPark、2回目は8月4日に伝馬通りで。太鼓を乗せるための担ぎ棒(長さ12メートル)が4本あり、その上に6人乗る。総重量は1.5〜2トンに及ぶため、担ぎ手が100人以上必要となる。夏まつり実行委員会では7月20日まで担ぎ手を30人募集している。

問い合わせは、同実行委員会(57―0200)へ。