昨年9月から1年間かけて大規模な改修工事が行われていた岡崎市民会館が、10月1日にリニューアルオープンする。ホール棟にあるホール(あおいホール)は舞台の奥行きを拡張して音響を改善させ、ホール棟と会議棟から独立していたリハーサル棟を通路や新設したエレベーターで連結するなど、出演者と利用者双方の利便性を向上させた。(今井亮)
ホールの舞台は奥行きが14.3メートルと、4.3メートル拡張。音響反射板の更新や二重扉などで、空席時の残響時間をこれまでの1.6秒から1.8秒に改善し、満席時でも1.6秒を保つという。利用者の安全面から、ホールの吊り天井は撤去された。
座席は1100席と400席余り削減した一方、1席当たりの横幅と前後のスペースを広げてゆとりを持たせた。2階席は観覧のしやすさを配慮し、全ての座席が舞台に向けて配置されている。
会議棟とリハーサル棟は、ホール棟とつながる連絡通路が整備され、高齢者の利用や演者の荷物搬入を想定したエレベーターが新設された。
駐車場は17台多い61台に増加。周辺には駐車場の空き状況を知らせる外構サインが設置された。
市民会館は、昭和42(1967)年に開館し、19年後の61年にリハーサル棟が完成。全体的な老朽化が指摘されており、約33億8,400万円を投じて初めて大規模に改修された。建物自体は「建築基準を満たしている」として耐震化は行われていない。