西尾市東幡豆町の愛知こどもの国で23日、園内を走るこども汽車(蒸気機関車)の「B12」(愛称しおかぜ)の修理が始まった。11月5日にお披露目会が行われる予定。
しおかぜの動力車部分は全長4.8メートル、幅1.78メートル、高さ2.63メートル。ボイラー機関部と燃料の石炭を積み込むスペースや水タンクが組み付けられている。同園では動力車に車内放送などで使う電力を供給する「電源車」、乗客を乗せる赤色の「客車」を連結して使う。
ボイラー機関部の修理は静岡市清水区の東海汽缶に依頼。初日のこの日は、機関部や車輪などの足回りを分解して問題がないかチェックした。機関部の本格的な修理はきょう24日から行っていくという。
同施設では、昭和49(1974)年のオープン時より、しおかぜと「B11(まつかぜ)」の2台のこども汽車を導入。同時期に造られたことから“双子汽車”として親しまれてきた。
だが、平成22年ごろから、しおかぜのボイラー機関部が不調で動かなくなり、まつかぜのみで運行してきた。来園者から「もう一度しおかぜに乗りたい」などの要望があり、今回の修理に至った。同施設によると、これほどの大規模な修理は初めてという。
今回の修理費はクラウドファンディング方式を活用。4月12日から90日間で出資者を募り、修理費や維持管理費など160人から計565万5,000円を集めた。
責任者の永井義弘さんは、「多くの人に協力してもらい、とても感謝している。双子汽車が再びこどもの国のシンボルになれば」と話した。(横田沙貴)