岡崎市美術博物館で4日、同市の親善都市・広島県福山市の文化財展が始まった。ともに大正5(1916)年7月1日に市制を施行し、間もなく100周年を迎える“同期”。「岡崎にないもの」を中心に福山の魅力をそろえた。7月18日まで。(竹内雅紀)
福山市は広島県の南東端に位置し、人口約47万人の中核都市。岡崎市とは昭和46(1971)年11月9日に親善都市提携をした。市制施行日が同じことと、福山藩開祖の水野勝成と徳川家康が、いとこということが主な提携理由。
会場では時代ごとに5つの章に分けて、約280点を展示。奈良時代に紫色の紙に金色で書かれた経典「紫紙金字金光明最勝王経」(国宝)や、鎌倉時代に金箔が貼られた木造の狛犬、河川改修によって出土した中世の庶民の暮らしが分かる生活用品一式、内海航路の拠点として栄えた「鞆」に残る朝鮮通信使の書などが歴史を伝える。また、勝成が築城した福山城の資料や家臣に与えた金色の烏帽子の変わり兜、水野家の後に藩主となって老中を務めた経験を持つ阿部家の甲冑もあるほか、福山市の産業や戦災についても紹介している。
午前10時〜午後5時。月曜休館(最終日は開館)。一般800円、小中学生400円。7月1日は半額。展示説明会や講演会などもある。問い合わせは、同館(28―5000)へ。