岡崎の3大祭りの1つ「神明宮大祭」が7、8の両日、岡崎市元能見町の神明宮一帯で開かれる。神明宮の氏子11町は大型連休中も踊りやお囃子の稽古に励み、本番に備えている。また、今年は市制施行100周年を記念して、市図書館交流プラザ(りぶら)での山車展示や能の公演「薪能」を見る企画がある。(竹内雅紀)
大祭をリードする役割の「大年番」は松本町。4月11日から町集会所でお囃子の稽古を始めた。小学3、4年生から高校生までの男女約10人で構成。大太鼓、小太鼓、小鼓、鉦に三味線と笛が加わる。同町では「軒すだれ」「夜神楽」「醒ヶ井」「松本ばやし」「楠公」「鞍馬」の6曲を演奏。合間には独特の「ハーオ」「イーヤ」などの掛け声も。30年以上の指導歴を持つ地元住民が子どもたちに対して丁寧に教えている。
町外から初参加となる広幡小の笹部心美さんと葛巻莉央さんは小太鼓を担当。「楽しい。山車に乗りたかったので、本番では完璧に演奏したいです」と口をそろえていた。氏子総代の鈴木幹夫さんは「神明宮大祭は毎年行われている岡崎の伝統行事。より多くの人に知って、体感してもらいたい」とPRしている。
氏子は松本町のほか、元能見中町、元能見南町、城北町、柿田町、元能見北町、能見北之切、能見中之切、能見南之切、材木1丁目、材木2丁目。
7日は早朝に8台の山車が神明宮内の小屋から出されてお祓いを受け、午前10時30分から午後4時までりぶら駐車場で展示される。午後5時ごろには提灯に明かりをともした山車が神明宮付近に集合。8時から神楽殿で「薪能」。鴨田町在住の観世流重要無形文化財総合指定保持者の近藤幸江さんがシテを務める。神明宮は能見神明宮とも呼ばれており、能公演は地名の「能見」にちなんで能を見ようという発想から実現した。観覧無料で定員100人。境内の2カ所にスクリーンを設置し、神楽殿に入れなかった人も見ることができる。
8日は午前8時から御神輿渡御、正午から例大祭神事。午後1時から各町内で山車の引き回しがあり、7時20分ごろから山車の宮入り。山車の提灯が点灯し、約2時間で各町の山車がお囃子の音を響かせながら神明宮に向かう。
今年は来場者を意識して、道中3カ所程度に観覧席を設けて、おもてなしをする。さらに、愛知環状鉄道の列車内や駅、名鉄東岡崎駅にもチラシやポスターを掲示して例年よりも広報に力を入れている。薪能とおもてなし、広報の3事業は「新世紀岡崎チャレンジ100」に採択されている。