岡崎市若松町の吉永招平さんが16日、名鉄バスの停留所廃止にともない伐採されたソメイヨシノの古木を岡崎市滝町の滝山寺に奉納した。
同市若松町の名鉄バス「西若松」停留所のそばには、80年以上前からあるとされるソメイヨシノが植えられていたが、停留所の廃止に伴って伐採されることに。吉永さんは2月15日ごろに伐採された枝を自宅に引き取り、育てた。当初は枝に芽が1つもなかったが、暖かい室内で温度と湿度を管理しながら丁寧に育てたことで、通常のソメイヨシノより数週間早く花開いた。日光に当たらなかったため花が白く、花弁が長いのが特徴。
今回奉納したのは、高さ約3メートルの枝3本。奉納前に枝の一部を日に当てたため、1本の枝で紅白の花が楽しめる。奉納にあたり、華道家の清水南文さんが滝山寺本堂と、宝物殿に生けた。
本堂には、高さ約3メートルの枝を生けた。「阿吽」をコンセプトに本尊の両脇に2本を配置。宝物殿では、国指定重要文化財の聖観音菩薩、梵天、帝釈天の立像3体(三尊立像)の前に満開の枝を使い、光り輝く雲海をイメージした。
本堂の花はあと3日ほどで満開になる見通しで、1週間ほど楽しめる。(横田沙貴)