東海愛知新聞バックナンバー

 2月3日【水】

平成20年8月末豪雨 5河川の改修完成式

被害の軽減に努力

平成20年8月末豪雨で氾濫した岡崎市内5河川の緊急改修工事「床上浸水対策特別緊急事業」の完成式典が2日、同市図書館交流プラザ(りぶら)で開かれた。豪雨の翌年の21年度に着工した事業は国、県、市が約234億円を投じて進め、7年間で総延長11.6キロの改修を今年度末に完了する。(今井亮)

式典には大村秀章知事や内田康宏市長、浸水した流域の総代ら約130人が出席。冒頭で出席者全員が黙とうをささげ、当時の豪雨で犠牲になった市民2人を追悼した。

内田市長は「豪雨から7年5カ月を過ぎたが、悲惨な光景は今でも市民の記憶に鮮明に刻まれていると思う」と察した上で、「完了する河川の改修で豪雨に対する安全性が大きく向上すると思うが、さらなる対策の必要性から『総合雨水対策計画』の策定を進めている。県と連携のもとで雨水対策を推進し、被害の軽減、解消に努めたい」と述べた。

大村知事は「重点的、緊急的に改修を進めてきた。記録的な豪雨による洪水被害が全国的に頻発しており、県として地域の安心、安全を支える河川整備に力を入れていく」と述べた。

この後、床上浸水対策特別緊急事業の概要が記されたステンレス製の銘板(A1判)がお披露目された。市は5河川を代表して伊賀川に銘板を設置する方針。

8月末豪雨は平成20年8月29日未明、市内で8月の観測史上最大の時間雨量146.5ミリを記録。この豪雨で氾濫した5河川のうち、伊賀川、鹿乗川、広田川、砂川を県が、占部川を市が主体となってそれぞれ改修した。

床上浸水対策特別緊急事業は当初、5年間での完了をめどに進められていた。しかし川幅の拡幅に伴う周辺の用地買収や補償面の交渉などで難航した工事の一部が繰り越されてきた。