岡崎市、同市医師会、幸田町が、救急医療機関の適正利用を呼び掛ける「救急医療利用ガイドブック」を共同で3万部作った。ガイドブックによると、重症・重篤患者を受け入れる第3次救急医療機関としての役割を担う岡崎市民病院には、平成26年度で約3万人の外来受診があったが、その75%は緊急入院や手術が必要ない軽症患者だった。(今井亮)
外来受診者の87%は、医療機関の紹介状を持たない非紹介患者だった。両市町と同市医師会は、一刻を争う重症・重篤患者を最優先させるため、最初は「かかりつけ医」や「夜間急病診療所」の受診を勧めるなど、夜間・休日を中心に市民病院の適切な利用に理解を求めている。
また、救急車の出動件数は1万5000件を超え、軽症患者は62%を占めた一方、重症・死亡患者は8%にとどまった。風邪、切り傷、打撲など「緊急性のない症状」をはじめ、交通手段感覚や搬送先の病院での待機時間短縮といった「身勝手な理由」での救急車利用に対する注意を促している。
119番通報を必要とする例としては、意識がない、呼吸・顔色がおかしい、激しい胸痛、頭痛、腹痛、多量出血、広範囲のやけど、高所からの落下、交通事故など。
ガイドブックは1月から市保健所、支所、市役所西庁舎1階の市政情報コーナー、医師会夜間急病診療所、市民病院、同町保健センターなどで配布する。