岡崎市はきょう10日から12月10日まで、“ごみ屋敷”に対する規制を盛り込んだ市生活環境保全条例改正案へのパブリックコメントを実施する。現行条例は家主にごみの撤去を促す「努力指導」にとどまっており、改正案ではごみ屋敷の定義を明文化。必要に応じて市長権限による勧告、命令、代執行の各行政処分が可能になる。来年の市議会3月定例会に改正案を上程する。(今井亮)
市環境保全課によると、昨年開かれた市民対話集会や市議会で、「強制力のある条例」の制定を要望する声が上がっていた。今年8月には豊田市内のごみ屋敷で火災が発生したことから、条例改正に向けた動きが活発化。岡崎市内には「ごみ屋敷」とされる世帯が7戸あり、現状は職員が各世帯を訪ねてごみの撤去を要請している。
改正案では、ごみ屋敷を「害虫や悪臭が発生し、火災発生が懸念される不良な状態」と定義する。行政処分の手順は「勧告」を通知した後も改善されない場合、市民、学識者、環境団体で構成する市環境審議会の審議を経て「命令」を下すとともに、家主の氏名と住所を公表。それでも従わない場合は代執行を審議する。
同課は「敷地内にあるごみの財産権を主張されると強制的な撤去は困難なのが現状。行政の規制に対する意見を素案の参考にし、命令・公表と代執行は慎重な審議を前提に決定したい」としている。
パブリックコメントには (1)住所・氏名(団体は名称と所在地) (2)連絡先 ―を記入し、持参、郵送(〒444―8601、岡崎市環境保全課)、ファクス(23―6536)、Eメール(kankyohozen @ city.okazaki.lg.jp)のいずれかで同課へ。改正案は市役所西庁舎1階の市政情報コーナー、同課、支所、市のホームページなどで閲覧できる。