岡崎市東部の藤川地区で栽培されているムラサキ麦を初めて使った給食が16日、市内の小中学校67校と市立幼稚園3園に登場した。
6月に収穫されたムラサキ麦約800キロのうち400キロを使用。白米に対して15%を混ぜ込み、約3万6000食分の“ムラサキ麦ごはん”が用意された。
学区内に栽培地がある藤川小学校の5年1組では、児童が麦特有の歯ごたえのある食感を堪能した。9月に津市から転校してきたばかりの北岡美姫さんは、生まれて初めての食感に感激。「米より硬めなので、食べやすくておいしい。また食べたい」とほおばっていた。
この日は徳川家康公顕彰四百年記念の献立。ムラサキ麦ごはんを主食に、岡崎産の野菜や八丁味噌を使った味噌汁、アジフライといった副菜、主菜が並んだ。平成6年からムラサキ麦を栽培している「藤川まちづくり協議会」会長の鈴木忠さんは「市内の児童、生徒、園児にムラサキ麦を味わってもらうのは、途絶えていたムラサキ麦を20年前に復活させた際の目的の1つだった」と振り返り、「ムラサキ麦の認知度が市内全域に広がってほしい」と期待を寄せていた。
献立を考案した市教育委員会給食管理室の担当者は「ムラサキ麦を今後の給食に使用するのかどうかは未定だが、反響をみて継続を検討したい」と話していた。(今井亮)