東海愛知新聞バックナンバー

 9月18日【金】

岡崎 康生から情報発信を

集合店舗「VASE」

岡崎市康生通東1に空きビルを活用した集合店舗「VASE」がある。8月8日のオープンから1カ月。活気があったころの康生地区の元気を取り戻そうと立ち上がった30代の店主らは、試行錯誤しながら岡崎の魅力、情報発信の拠点を目指す。(竹内雅紀)

■空きビル活用2年間の限定

「VASE」は花瓶や器という意味。ビルに複数の店舗や人が集結することを、美しい花やおいしい料理が1つの花瓶や器に集まることに置き換えた。

空きビルは3階建て。岡崎市中心部を流れる乙川に架かる殿橋から北へ約300メートル。県道岡崎足助線沿いにある青を基調とした建物だ。100年以上の歴史がある「ツダインテリア」が入居するビルだったが、昨年7月に閉店。外観はほとんど手を加えていないため、カーテン、壁紙、カーペットを表す「か・か・か」や「C・C・C」の文字や「ツダインテリア」の名称も残っている。

「VASE」の営業は、ビルの取り壊しが予定される2年後(平成29年)の8月までの期間限定。現在、1階にはベトナム料理、ビールバー、輸入家具、2階は雑貨、はんこ、3階に骨盤矯正や体調不良を改善するカイロプラクティック―の6店舗が入居している。1階はツダインテリア時代も店舗だったが、2階以上は住居や倉庫だった部分を改造。3階の残りと屋上はイベント時の貸し出しスペースとなっている。2階は5店舗分の空きがあり、出店者を募集している。家賃は月3万円前後。

オープンから1カ月経過したが、認知度が低く、好調とは言い難い。ランチをメーンとするベトナム料理店では平日は周辺のオフィスで働く会社員、土、日曜は店主の知人らが訪れるという。駐車場が少なく、雨天時は集客に苦戦することも。「集客力が弱いのは確か。チャレンジショップという位置付けであるため、これからいろいろな仕掛けをしてVASEに人が集まるようにしたい。人が集まれば情報も集まる。情報が集まる場であれば人も集まる」

運営サイドによると、今の「VASE」は発展途上の段階であり、完成形ではないという。「2年間を通して、みんなの夢をかなえるきっかけだったり、新しいことにチャレンジしたりする場になればいい。また、ここを拠点に岡崎のさまざまな情報、魅力を発信できるようにしたい」としている。あす19日と20日には常設以外に約10店舗が限定で出店する。

月曜定休。問い合わせは、代表の本多良成さん(090―5876―0660)へ。