岡崎市六供町にある国の登録有形文化財「旧石原家住宅」で22日、親子文化財教室「古民家で、みて・さわって、むかしのくらしを体験しよう!」が開かれた。小中学生親子14組計34人が参加。普段は一般公開されていない貴重な古民家の中を探検したり、昔の暮らしを体験したりして、夏休みの思い出作りを楽しんだ。(大山智也)
市内の文化財に親子で慣れ親しんでもらおうと、市が毎年開催している文化財教室の一環。同住宅での開催は今回が初めて。
はじめに市文化財保護審議会委員の山田伸子さんが住宅の概要を紹介。続いて母屋の中を見て回り、参加者は歴史を感じさせる建物に目を輝かせていた。
建物の見学を終えると、4班に分かれて五右衛門風呂の用意、障子張りと掃除、かまどの火起こし、石臼ひきにそれぞれ挑戦。木製の滑車に乗せた綱を引いて井戸から水をくみ上げたり、大豆を石臼でひいてきな粉にしたりと、昔ながらの暮らしぶりを体感した。
最後は、かまどの炭を使って焼いたせんべいとひきたてのきな粉をまぶした団子で一息つき、約2時間の貴重な体験を締めくくった。
五右衛門風呂の用意を体験した連尺小5年の永田光佑君は「井戸で水をくむのは今回が初めて。昔の人がお風呂に入るのに、どれほど大変な思いをしていたのかがよくわかりました。井戸水は、冷蔵庫の水よりも冷たくて気持ちよかったです」と話した。
旧石原家住宅は、江戸末期に建てられた商家。昭和20(1945)年の岡崎大空襲も奇跡的にくぐり抜け、平成23年に国の登録有形文化財に指定された。現在は空き家となっている。