東海愛知新聞バックナンバー

 7月31日【金】

市税収入665億円(2.4%増)

岡崎市の26年度予算 緩やかに景気回復か

岡崎市は30日、平成26年度の決算を発表した。一般会計は歳入1,163億円に対して歳出1,114億3,000万円。翌年度への繰越事業財源5億1,000万円を差し引いた純剰余金43億6,000万円のうち、33億円を財政調整基金に積み立て、残額を今年度の補正財源に充てる。一方、地方公営企業の会計基準見直し(改正地方公営企業法)により、企業会計(3会計)の病院事業は53億1,000万円の純損失を計上したが、市民病院は「経営への影響は少ない」としている。(今井亮)

歳入の軸となる一般会計の市税は665億9,000万円で、前年比2.4%(15億3,000万円)の増となった。このうち市民税は305億6,000万円で3.6%増。緩やかな景況回復の影響を受けた給与所得やボーナスの増加で個人市民税が2.1%、円安を背景に自動車輸出関連企業が業績を伸ばしたことで法人市民税が11.5%と、それぞれ増加した。

歳出では、普通建設事業費で名鉄東岡崎駅周辺地区整備や東部学校給食センター建設、消防・救急デジタル無線整備などの増加で5.2%増の131億円となった。消費増税に伴う臨時福祉給付金の支給などで扶助費は8.0%増の269億3,000万円。

病院事業は赤字

企業会計の病院事業では会計基準の見直しで、前年度末までに在籍していた職員1000人規模の退職を仮定した退職給付引当金の繰り入れを特別損失として計上。その結果、収支の差し引きで53億円超の純損失となった。市民病院の試算では入院収益の減少や人件費で、会計基準の見直しがなかった場合でも約2億円の純損失が発生する。病院側は「過去最大の“赤字”額だが、全職員の一斉退職は考えられないので、運営資金がただちに支出に充てられるものではない」と説明した。

水道事業の収支は14億7,000万円、下水道事業の収支は3億4,000万円の純利益。2会計にも会計基準の見直しが反映されている。

特別会計(11会計)は歳入588億5,000万円に対し、歳出581億6,000万円で差し引いた純剰余金は6億9,000万円となった。同市の財政力指数は0.99。