岡崎市は30日、昨年12月に発表した下水道使用料の誤徴収問題で、内田康宏市長や元下水総務課長らを減給することを発表した。徴収漏れは最終的に1億6,962万9,786円に上り、地方自治法に基づいて徴収できるのは5,160万3,349円となる。内田市長は「総括責任者として深くおわび申し上げる」と陳謝した。(竹内雅紀)
誤徴収問題は、平成5年度から矢作川流域下水道によって下水処理を行っているにも関わらず、入力漏れなど職員の人為的ミスが原因で適正に徴収されていなかった。誤徴収していたのは294件。このうち、徴収漏れは212件、下水道に接続していないのに徴収していた過徴収は82件。徴収漏れは最長5年しかさかのぼれないため遡及できるのは、この5年間で使用実態のない9件を除いた203件で合計5,160万3,349円。一方で過徴収による還付額は306万5,140円。
遡及件数203件のうち、167件(1,818万7,323円分)が了承しているが、大口の事業所など36件(3,341万6,026円分)はまだ了承されていない。中には「自分たちのミスではないので納得いかない」「職員の処分がないと払わない」などの意見があったという。還付は1件を残して完了済み。
“時効”により遡及不能となったのは約1億1,800万円。市は道義的責任として、現役職員や退職者からの申し出、管理職の積立基金の残金全額(830万円)など計1,000万円を市に寄付する。
市は平成25年11月ごろに誤徴収の報告を部下から受けながらも改善しなかった当時の下水総務課長で再任用の男性主事(60)を30日付で減給10分の1(3カ月)の懲戒処分、管理職として在籍していた現役職員(再任用を含む)5人を訓告とした。市下水道局によると、20年度以降の2人の下水総務課長は誤徴収を認識していたという。
内田市長と2人の副市長は月額給料を1カ月間20%カットに。市議会6月定例会に関連条例案を上程。可決されれば7月分の給料が減額になる。市長は22万2,000円、副市長は1人当たり18万6,400円の減額となる。
今後は、複数職員による入力内容のチェックを徹底し、再発防止として職員にコンプライアンス向上を求める通達を出した。