岡崎市鴨田町の大樹寺(堀田岳成貫主)でこのほど公開された「徳川家康公霊夢像」の説明碑の英文を手掛けた川島敏邦さん(80)が17日、初めて霊夢像のもとを訪れた。
霊夢像は、家康公400年祭に合わせて岡崎商工会議所などが企画。3代将軍家光が、夢枕に立った祖父・家康の姿を絵師の狩野探幽に描かせたとされる「東照大権現霊夢像」などを参考に制作された。境内に設置された霊夢像の隣には、観光客向けに日本語と英語、2種類の説明が記された石碑があり、うち英文を川島さんが担当した。
米マサチューセッツ州ケンブリッジ市在住の川島さんは、完成した霊夢像と碑文を一目見ようと16日に来日。4月17日の命日に合わせて足を運んだ。実物を目にした川島さんは「このような形で孫子の代まで残り、多くの人に見てもらえるのは非常に名誉なこと。誇らしく思います」。途中、歴史学習の一環で大樹寺を訪れた同市三島小学校の児童らに碑文を解説した。
碑文については「家康のことを全く知らない外国の方が読むことを考えて、まずは家康がどの時代の人間で、どのような功績を残したのかを分かりやすく伝えることを心掛けました」。霊夢像に関する説明だけでなく、東照大権現の由来、霊夢像誕生のきっかけとなった家光のエピソードなども盛り込み、一目で家康という人物の概要が分かるようになっている。
川島さんは国連職員として約25年にわたって日本と米国で職務に当たり、定年退職を機に岡崎へ移った。その後、家庭の事情で再び米国に移住するまでの約10年間、市内にある英語サロンなどに参加。現在も外国人向けの地域情報誌「岡崎ニュース」の英訳を担当するなど岡崎とのつながりを保っている。今回は商議所の依頼を受けて碑文作りに参加した。(大山智也)