日米の友好の証しである「青い目の人形」が現存する幸田町幸田小学校に4日、新たな“友情の人形”「ケイティー」が、米国東部メリーランド州アデルファイからやってきた。88年ぶりに米国から贈られた人形は、全校児童777人に温かく迎え入れられた。(横田沙貴)
青い目の人形は昭和2(1927)年、シドニー・L・ギューリック博士の発案で贈られた1万2739体の“友情の人形”。だが第二次世界大戦が始まったことで「敵国の人形」として多くが壊された。愛知県内では同校で47年に見つかった「グレース・エッサ」を含め9体が現存する。
今回はギューリック博士の孫に当たる、デニー・ギューリックさんが個人で行っている交流活動の一環として幸田町に人形贈呈の申し出があった。デニーさんは20年以上前から祖父の遺志を継ぎ、人形を通じた交流を続けている。これまで横浜市や岐阜市などに延べ200体以上を贈ったという。
ケイティーは高さ約40センチで、茶色い目と髪。デニーさんの妻が縫った現代風のワンピースを着て、旅行用のバッグを持っている。2月上旬に出発し、26日に幸田町に到着。3日には大須賀一誠町長と“面会”した。
同校体育館で開かれた歓迎会には、グレース・エッサも同席した。ケイティーが登場すると、児童から「かわいい」と、大きな拍手と歓声が上がった。
ケイティー来日の橋渡しとなった元高校英語教師の成田重忠さん(74)=同町荻=は「ケイティーと楽しく過ごしてくださいね」とあいさつした。
成田さんは、平成24年、グレース・エッサの里帰りに付き添った。この様子を企画展で町民に紹介。同展で協力してもらった米国マサチューセッツ州のルイザ・メイ・オルコット記念館の職員、喜久子・ミルズさんを通じてデニーさんと知り合った。