県立岡崎商業高校2年生2人が昨年11月に行われた簿記検定試験の最高峰「日本商工会議所主催簿記検定(日商簿記検定)1級」に合格した。高校生での合格は珍しく、同校では平成9年以来17年ぶりの快挙となった。(竹内雅紀)
公認会計士・税理士などの国家試験の登竜門にもなっている試験に合格したのは、ともに情報会計科の安藤晴菜さん=岡崎市東海中出身=と米澤潤君=同市南中出身。試験は商業簿記、会計学、工業簿記、原価計算の4科目。全体の合格率は、例年10%前後と難易度が高い。1級合格者には税理士試験の受験資格が与えられる。
小学校高学年のころから簿記に興味を持っていた安藤さんは同校簿記部主将で、授業前の朝の40分間と授業後の2時間、練習に挑む“簿記女(ボキジョ)”。「考えながらやって解けた時がうれしいです」と話す。昨年6月に2級を合格し、3度目の1級挑戦で合格した。簿記を生かした仕事(民間企業の事務職)を希望している。
公認会計士になることが夢と語る米澤君はバスケットボール部に所属。同校が連携を結ぶ高崎商科大(群馬県)のプロジェクトを利用して、自宅で4、5時間勉強漬けの日々を送った。2級は昨年2月に合格し、今回1級初挑戦で合格した。「簿記をやる以上は極めたいと思っています」と前向きだ。
2人とも自己採点では合格点(100点満点中70点以上)に達していなかったが今月5日に岡崎商工会議所経由で合格の知らせが届いた。「うれしかった」と声をそろえ、三学期始業式の7日には同級生らから祝福された。
指導する加藤悟教諭(41)は「1級は高校レベルをはるかに超えているのでとても誇りに思う」と評価している。
2人は8月に行われる税理士試験の簿記論と財務諸表論に挑戦する。また、米澤君は12月に公認会計士短答式試験にも挑戦する。